藤井総太、紀平梨花。ゆとり世代の"新星"爆発。

藤井七段が中学3年生で昨年29連勝を達成し、朝日杯で羽生竜王、佐藤名人に完勝し優勝した時は衝撃でした。
将棋界に"新星"が爆発したのです。

そして、紀平梨花が11月9日から行われたNHK杯で、トリプルアクセル2本を決め、女王宮原知子に圧勝したのも衝撃でした。
フィギュアスケート界でも"新星"が爆発したのです。

みなさんは、二人に共通項があることにお気づきでしょうか。

二人の誕生日は

藤井総太 2002年7月19日

紀平梨花 2002年7月21日

です。

そして二人は、2002年度から2010年度まで続いた「ゆとり教育」を受けた1996~2003年生まれの世代であります。

二人の他にも、「ゆとり教育」を受けた世代は既に傑出した実績をあげています。

羽生 結弦 1994年12月7日  昨日もGP優勝。実績説明不要です。
池江璃花子 2000年7月4日    日本人初となるアジア競技大会6冠を達成
伊藤美誠  2000年10月21日  卓球女子スウェーデン・オープンで、世界ランク1位の朱雨玲を撃破して優勝

今の日本では、ゆとり教育は否定されて昔ながらの受験戦争が繰り広げられています。
しかしながら、こうした結果を見ると実は「ゆとり教育」は、傑出した人材を出す上で効果があるのではないかと改めて思いました。

私の経験ですが、学校の勉強で一番役に立ったのは小学校のときに習った内容ではないかと思います。
次は中学生のときに習った内容かと思います。
高校は私は、国立の高専で習いましたが、正直無駄な勉強も多かったと思います。
現在、私は、一部上場企業に勤めるシステムエンジニアです。
しかし、高専で習った微分、積分は全く使いません。
機械や化学も習いましたが全く使いません。

結局、一番役にたったのは高専にいた時に自力で学んだパソコンのプログラミングの勉強でした。
高専に入学したときは、パソコンの黎明期でした。
私は電気工学が専門だったわけですが、すでに高専1年で学校で支給してくれる高機能関数電卓でプログラミングしている友達がいたのです。
しかも、電卓でオリジナルゲームを作り、教室で授業中に遊んでいるのです。
衝撃でした。
感化されて、自分も自主的に勉強するようになったのです。
いまでは小学校でプログラムする子供も多くなってきましたが、当時は画期的だったのです。

パソコンは当時とても高価のもので30万円位しました。
貧乏学生だった私はとても買えません。
そこでプログラムできるカシオのポケットコンピュータ(PB-100)を買いました。
モニタは、たったの1行しかありませんが、1万円くらいで買えたのです。
初めてポケコンでサンプルプログラムを打ち込んで実行したときの感動は今でも忘れられません。
ハートマークが左から右に移動するプログラムを実行したのですが、なぜかいつもハートマークは右端にあるのです。
最初は訳がわかりません。
なぜだろう。。。

理由は、ポケコンが速く動作するのでハートマークは左から1文字づつ右に移動しているのに目では見えなかったのです。

分かったときは感動しました。
なんてコンピュータって動作が速いんだろう。。と。
コンピュータすごい、面白い!!。。と。

それ以来、プログラミングにのめりこみ、コンピュータの専門雑誌を読んでいるうちに、コンピュータの実現原理も自然と興味が湧き必然で電子回路にも詳しくなりました。
その結果、当時は難関試験だった第一種情報処理試験も学生時代に合格することができ、就職、転職も自由自在の20代状態になりました。
そして、働いて稼げるようになったお陰で嫁さん、子供を得、中野区に家を建てることができました。

自力で学んだパソコンのプログラミングの勉強が、生涯に渡ってお金を稼げるスキル獲得の開始となったのです。

 

自分の経験からして、やはり人は自主的に好きなことをやった時こそ、力が入り身につくのだと思います。

だからこそ好きな事に打ち込める「ゆとり」の時間は大切であり、実は以前日本が実施していた「ゆとり教育」は素晴らしいものだったのかも知れないと最近あらためて気がついた次第です。

藤井七段、紀平梨花さんに教えて頂きました。

 

(記)鷺宮将棋サロン会長